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マイナー作品とかのションボリ二次創作を細々と。

ゆきのひ。

【わんぴ】S*U  雪が降った日。

※現代パロディ?特に設定なし。



x x x

「あ!」
改札を出た瞬間、ウソップが急に声をあげ駈け出した。
「雪だー!!」
声に釣られて見上げたサンジの目にも、その白いひとひらが映る。
「あー…そういや、降るって言ってたっけか」
朝見た天気予報を思い出す。
夕方から夜にかけてずらっと並んだ雪だるまのマーク。
「サンジ、雪だ!雪だぞー!」
「ああ、見えてるって」
「何だよー!テンション低いな!雪だってのに!」
「おれは寒いの苦手なんだよ」
「三月生まれなのに?」
「馬鹿野郎、三月は春だ」
サンジはウソップを睨みつけたが、ウソップはにっと笑っただけだった。
「結構降ってんなー。積もるかな?」
「さァな。すぐに雨になっちまうんじゃねェの」
「雪は夜更け過ぎに~ってか!」
「逆だろ」
「積もるといいなー」
サンジのツッコミも耳に入らないように、ウソップはまたうっとりと空を見上げる。
「おれさー」
「ん?」
「今年は絶対ェ、クリスマスケーキのバイトするわ」
「何でだよ」
「いや、雪見てたら何となく」
「長鼻のトナカイか?」
「どうせならサンタ着てェなー」
「じゃあ、余ったの持って帰って来いよ」
「ばっかだなー、おれが売り残すと思うか?」
と、ウソップはサンジを振り返って胸を張って見せた。
「おれはケーキを全部売り切って、サンジに作ってもらうんだ」
「売り切れたらな」
「あー!何だよその顔!絶対ェ売り切って見せるし!!」
約束だからな!とウソップは、無理やりサンジの手を取って小指を絡める。
意味のない会話から生まれたその約束を、ウソップは一年も先まで覚えているのだろうか?
厚ぼったいウールの手袋ごしの指きり。
「あー、でも寒ィ」
「手袋は貸してやらねェぞ」
「要らねェもん!修行だ修行」
素手の両手を振り上げ、がー!とウソップが吠えた。
「あ、おい、傘は」
「んなもん要らねェ!修行だー!目指せゾロ!!」
「おい、ウソップ!」
全速力で走って行く背に手を伸ばすが、もちろん届かない。
「ったく…」
だが、あの速度で走って行けば、次の角くらいで力尽きてバテているのに追いつけるだろう。
サンジは、もう一度空を見上げた。
ちらちらと降り注ぐ白。
「積もるかなァ…」
積もれば、交通は麻痺するし転んでけがする人も現れるだろう、とは思うものの。
(「積もるかなー」…)
さっき、うっとりと空を見上げたその顔が、きっと笑顔になると思うから。
「…修行…ねェ…」
鞄から取り出しかけた折りたたみ傘を、少し躊躇してからしまうことにした。
マリモの名に少々対抗心が煽られた、とは、認めたくないが事実だ。
「…待ちやがれ、ウソップ!」
雪の中に飛び出せば、革靴が滑りそうだった。
でも、なんだかとてもすがすがしくて。
最初の、彼の笑顔の意味が少しわかったような気がした。



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やまなしおちなしいみなし。
ほんとは、ばんぷのすのーすまいるみたいな展開にしたかった。
まったく関係のない、意味のない話となりました!
うーん、さすが30分クォリティ。

この二人でだらだら会話させるのが好き。
限りなく友情に近い…というかむしろ友情でいいや!

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