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マイナー作品とかのションボリ二次創作を細々と。

バントライン(仮称)・3

【わんぴ】サンウソ

・一味離散後捏造話
・サンジとウソップとクロネコ海賊団の皆様しか出てきません
・っていうかウソもまだいません。
・未完結で途切れる予定。

 [1]http://sets.blog.shinobi.jp/Entry/111/
 [2]http://sets.blog.shinobi.jp/Entry/112/





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「何の音だ?!」
「わからん、確かめてくる!」
階段の下に立っていた見張りの海兵二人がそんな会話を交わし、片方が階段を上がっていった。
サンジは眼鏡の男をうかがうが、彼には特に変わった様子もなく、先ほどから変わらない体勢で壁に寄りかかり、天井を見上げている。
ドン、ドンという爆発音だか破壊音だかわからない音はまだ遠いが、確実にこちらへ近づいてきているようだった。
(仲間…とやらか)
状況を把握しようとするサンジの耳に、慌てたような足音が届く。
それは、先ほど上に上がっていったはずの海兵のようだった。
「おい、大変だ!侵入者だ!」
階段を最後まで降りきる前に、慌てた声で下にいる仲間に声をかける。
「何、応援はいるか?!」
「駄目だ、どうやら目的がここの囚人らしい。海賊旗を掲げて、キャプテンを返せなんて叫んでる」
「キャプテン…?『クロネコ』の関係か?!」
ふと、近くで気配が動いたので、サンジはそちらへ目をやる。
「来たみたいですね」
ニヤニヤ笑いの男だ。眼鏡の男に擦り寄って、目を細めて笑みを深くしている。
「…『クロネコ』ってのは、あんたか?」
サンジは、天井を見上げたままの眼鏡の男に語りかけた。
しかし、口を開くのはニヤニヤ笑いの男。
「クロネコ海賊団の船長・キャプテンクロ!それがこの男の名さァ」
「キャプテン・クロ…」
サンジは、その名に二つ、聞き覚えがあった。
一つは最近。グランドラインのこの海域で急に頭角を表し始めた海賊団だということで、新聞や手配書で見たのだった。
その『クロネコ』の幹部だか何かがこの町で捕まったのだと、そういえば聞いた記憶がある。
サンジが声をかけたあの麗しい女海兵も、その関係で動いていたのだろう。
そしてもう一つの聞き覚えはもっと前。とある嘘つきの冒険譚の中で。
「…」
この男は、敵だ。サンジの頭の中で警鐘が鳴る。
麦わらの一味と浅からぬ縁というのは嘘ではないということがこれで証明されたが、それは同時に、やはり無事に逃走させてくれる気がないのだという証明にもなる。
ルフィたちにやられた恨みを、好都合にも目の前に現れた『麦わらの一味』の自分で果たそうという魂胆か、とサンジは推測した。
「…チッ」
やはり、その『仲間』とやらがここまでたどり着いたら、その騒ぎに乗じて一人で逃げるしかないだろう。
まだ海軍には、自分が『麦わらの一味』であることはバレていないわけだし、逃げられる確率も、その後追っ手が掛からない確率も高い。
「…とにかく、侵入者を排除だ!」
サンジの思考を遮ったのは、またも海兵たちの会話だった。
「おれは上に戻る、お前はここで…ッ!?」
しかし、それは唐突に途切れる。
「…ッ!!」
何も、音はしなかった。
階段の上にいた海兵がもんどりうって落ちてくる。
その前に肩の辺りの服が爆ぜるのが見えた。
撃たれたのだ。
「…っだ、大丈夫か!?」
階段から落ちたままの姿勢で動かなくなった同僚に、もう片方の海兵が慌てて駆け寄る。
「お前かッ!侵入者はッ!!」
そして見上げ、ここからでは見えない誰かに向かって銃を構える。
破裂音は一つ、そして人間の倒れる音も一つだった。爆ぜたのは、海兵の制服の胸の辺り。
階段をこつこつと下りてくる音が続く。もう敵はいないだろうかと慎重になっているような足音。
まだ暗がりで、相手の姿は見えない。
「…来たな」
眼鏡男が、口を開いた。
出てきたのは楽しげな音で、視線は暗がりを伺うように細められている。
「『おれの仲間』だ」

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