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マイナー作品とかのションボリ二次創作を細々と。

オレンジ探偵社の愉快な人々[3]

~これまでのおはなし~
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[2]/Entry/123/


このシリーズには以下の要素が含まれます。

・退魔師系パロディ。
・なんちゃって退魔師なので、間違った知識がウロウロしてます。
・なんちゃってオカルト、怖い話系のネタを含みます。
・あんまり退魔してないです。
・メインはウソップ、ナミ、サンジ、ゾロ辺り。
・ゾロサン、サンウソ要素が濃い目にあります。
・サンジが節操なしです(他CPも可能性有)

やっと少しお仕事の話です。
今回はCP要素あんましなし。

大丈夫そうでしたら以下からどうぞ。



 x x x x x


 さて、事務所の方に戻った俺を迎えてくれたのは、コーヒーお代わりと突き出されたナミの腕だった。
「無事でよかったわ。危うくコーヒーのお代わりが飲めなくなっちゃう所だった」
「はいはい。今お代わり入れるからよ」
 そのマグカップを受け取り、俺はもう一度キッチンに向かった。
 食パンを適当にトースターに突っ込み、その間に卵を割る。サンジはスクランブルエッグが好きだから、ミルクを加えてかき回した。フライパンに流し込んでまた適当にかき回して、火が通った所で適当に皿によそる。その間にトースターがチンと音を立てたので、2枚の食パンを取り出してやっぱり適当にマーガリンを塗りたくって卵の横に置いた。
「何だよ、その適当な飯は」
 肩の横から覗き込んできたのはサンジだった。本業が料理人の彼の眉は、予想通り顰められている。
「おー、サンジ」
「お前、また牛乳の量計らずに入れたろ。卵が水っぽすぎるじゃねェか」
「うっせェな、お前が起きるの遅いのが悪い」
 嫌なら食うなよと言ってみるが、髪が濡れたままのサンジは何も答えずに皿を取り上げて、寝室の方へ戻ろうとする。しかしその途中でソファに腰掛ける麗しの美女を見つけ、くるりと進路を変える。
「おはようナミさん!今日も美人だね!!朝から俺は、女神に出会ったのかと思った!!」
「あら、サンジくん。おはよう」
 挨拶とお世辞と賛美が合体した妙な言葉を、ナミは二言で片付けた。
「トーストがあるよ!おなかが空いていたら何か作ろうか!?」
「大丈夫よ、もう朝ごはん食べたから。それはあんたたちが食べちゃって」
「ああっ!ナミさんが俺に気を使ってくれている!僕ァなんて幸せなんだろう!!」
 その場でメロリンメロリンと回転し始めた男に一度も目を向けず、ナミは何かの書類に目を通していた。
「ナミ、それ今日の仕事の資料?」
「ええ、そうよ」
 俺がマグカップとゾロ用のトーストをテーブルに運びながら尋ねると、ナミは頷いてその資料を差し出してきた。
「簡単なものだけどね。見とく?」
「ああ、ロビンの報告書か」
 ナミがマグカップを受け取ってくれたので、俺は空いた片手で代わりに資料を受け取る。
「依頼主はコニスさん、女の子かァ」
「コニスちゃん…!何て綺麗な名前だろう!きっと名前の通り、ステキな人なんだろうなァ!」
「あァ、彼女自身じゃなくて、彼女の家に問題あるわけ?じゃあ、今日話聞いた後、家行くことになんのかな」
「ンな!何だってェ!?出会ったその日にい、い、家に…!?」
「お前ちょっと黙れ」
 いちいちうるさいサンジの頭を押しのけ、俺はナミの向かい側のソファに座る。
「コニスさんって?」
「ロビンの同僚らしいわ。同じ研究チームなんだって」
 ロビンというのは、ナミの友人の女性だ。民俗学を歴史的に研究するとか、なんかそんな感じの研究をしている研究者で、その道ではかなり有名な研究者らしい。
 何故だかは知らないけれどナミとすごく仲がいいらしくて、時々こんな風に、彼女を通じて『オレンジ探偵社』に依頼をくれることもある。
「とりあえず、10時にコニスって子が来るみたいだから話を聞いて。その後は、話聞いてから決めましょ」
「面倒くせェなァ。外出することになる可能性もあるよな」
「本当に問題が家のほうにあるならね」
「だったら、道具多目に用意しといた方がいいかな」
 時計はちょうど九時。コニスさんとやらが時間を守るいい人ならば、少なくても30分は余裕があるだろう。仕事道具の整備をする時間はありそうだ。
「サンジくんも、今日は働いてもらうことになるかもしれないから、今のうちにちゃんと休んどいてね」
「わっかりましたァ、ナミすゎん!!」
 指示を出されたサンジは胸の前で手を組み。上体を左右にメロリンメロリンさせながら答えた。
「俺はどうすればいい?」
 カラスの行水で風呂から出てきたゾロが、ナミに指示を仰ぐ。上半身裸のままじゃないか、と俺は心の中で舌打ちをした。これじゃあせっかくナミの目に触れないようにと思った胸元の赤い痕も丸出した。案の定、ナミの表情が厳しくなる。
「…とりあえず、服着なさい」
「…?おう」
 わけがわからないように頷いたゾロ、ナミの表情の変化の理由にまだ気付いていないサンジ。ああ、あとで多分俺が責められることになるのだろう、何故か。
 仲間内ですらこの状況なのだ。今日はろくな日にならないだろうな、と俺は思った。


 この辺りで『オレンジ探偵社』の実態についてもちゃんと説明しておいたほうがいいだろう。
 『オレンジ探偵社』には二つの顔がある。一つは、ナミが元々やっていた何でも屋みたいな顔だ。『オレンジ探偵社』にはホームページがあるので、そこに寄せられた調査や仕事なんかを引き受ける。その中にはちょっとアブないんじゃないかというような依頼もあるけれど、その辺はナミが取捨選択して、確実に金になる法に触れない仕事だけを行うことになるのだ。こういった仕事については、主にナミと俺で行うことになる。
 この一つ目の仕事については、まあ、探偵社と名乗っていい仕事だろう。家出猫の捜索、浮気調査。分かりやすい仕事ばかりだ。
 だから問題なのはもう一つの方。
 これも、サイトから依頼が寄せられることもある。だがそれよりは、口コミで広がった噂を頼りに直接この場を訪ねてくる客のほうが多い。今回のコニスさんのように、ロビンなんかの知り合いから紹介されて来る人もいる。
 彼らの依頼は一つ。『身の回りで起きる非日常を解決して欲しい』。非日常とは様々だ。誰もいない部屋から声がするとか、気持ちの悪い夢を毎日見るとか、顔みたいな痣ができたとか。
 ―分かるだろうか?つまり『オレンジ探偵社』の実態は、祓い屋だとか、退魔師だとか、ゴーストハンターだとか、そんな感じの呼び名で呼ばれるものなのだ。
 それもこれも、俺やサンジ、ゾロのちょっと特異な体質あってのもの。例えばゾロは、人ならざるものに触れる力を持っているし、サンジはそれらを見る力を持っている。ナミはそんな変わった力は持ってなくて、仕事を引き受けたあとは基本的に俺たちだけで仕事をすることになるのだった。
 依頼の中にはもちろん勘違いや嘘も混じっているけれど、その辺りは俺の力でマジモンかどうかを見分けることができる。自慢ではないが、外れたことはない。
 仕事としても、そこそこ繁盛しているほうだとは思う。副業の探偵業の仕事が意外とあるっていうのもあるけれど、同業者が少ないのだ。さすがナミ。目の付け所が違う。
 毎日何かしらの副業の依頼があって、月に一度は本業の退魔もある。はっきり言って忙しい毎日だ。だけど。
(なんて言うのかな。)
 髪からぽたぽた水をたらして怒られているゾロ、怒っているナミ、メロリンメロリンしているサンジ。日常、だけど数分後には非日常が舞い込む場所で笑う仲間たち。その中に俺もいるという現実。
(生きてるって感じ?)
 それが、たまらなく幸せだった。



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やっと少しお仕事の話が出せまし た!
っていうかタイミング逃してた。
どこではさめばよかったの?

探偵業と退魔業の二束のわらじ。
良くある発想でどうも申し訳ない。

ゲストにコニスちゃん。
コニスちゃんってほんといい子よね。大好き。
空島大好き。

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