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マイナー作品とかのションボリ二次創作を細々と。

【FE新紋章】相違点を一つ

【FE新紋章】オグマとサムトー

或る晴れた日の草原にて。





「サムトー、今日はバンダナをしていないのか」

オグマは、隊から離れて草原に寝転んでいた人に声をかけた。
彼は閉じていた目をちらりと開けて、実は俺はナバールなんだ、と言った。

「嘘つきめ。もう騙されんぞ」
「あはは、ですよねえ」

心底楽しそうにサムトーは笑い、よっと、という掛け声をかけて半身を起こした。
バンダナがないせいでいつもよりばらけている髪が額や頬に落ちかかって、それを億劫そうに掻き上げる。

「破いちゃったんです。鍛錬の途中に」
「お前が鍛錬?珍しいな」

でしょう、頑張ってるんですよ俺、とサムトーは胸をはってみせた。

「で、どうしたんです、オグマさん。マルス様たちのところにいなくていいんですか」
「いいんだ。軍議は終わった」
「息抜きですか」
「息抜きだ」
「なるほど」

頷いたサムトーは、まだオグマの視線が自分に向けられていることに気づき、首を傾げる。

「どうしましたか?俺の顔に何かついてます?」
「その台詞は古いな」
「古いですか」
「古い」

で、なんですか、とサムトーはもう一度聞いた。

「ああ。…―明るい所で見ても、似ているなと思って」
「似てる?」
「お前が、奴にさ」
「ナバールさんに、ですか?」
「ああ」
「バンダナしてないからですかね」
「見た目もだが雰囲気も、だな。最近あいつに剣を教わっているんだろう?」

オグマの言うとおりだった。
ナバールは嫌がっていたのだが、拝み倒し土下座までするサムトーをどうにも振り切ることは出来なかったらしい。
半ば一方的な手合わせ程度ではあったが、その中から学べることはたくさんある。
そういった鍛錬の傷が、最近はサムトーの手足にいくつも刻まれていた。
今日は額にも。そのせいで、バンダナは破けてしまったのだ。

「ただでさえ太刀筋があいつに似てきたのだから、見た目まで似られたら困る」
「ほら、俺ってば頑張り屋さんですから」
「突っ込まないぞ」

冷たい言葉に、ええ、突っ込んで欲しいのに、とサムトーはふざけた調子で言った。

「駄目ですよ、オグマさん。他人のしてほしいことにちゃんと気付いてあげなきゃ」
「お前はなんでそんなに第三者視点なんだ」
「きっとオグマさんが結婚したら、急な飲み会でも断りきれずに夜中まで参加してあまつさえ楽しんじゃって、家で奥さんがお夕飯温めて待っててくれても、帰ってきてただいまの前になんで起きてるんだ早く寝ろなんて言っちゃって、奥さんに泣きながら離婚状叩きつけられるんですよ」
「何だその妙に長くて具体的な例え話は」
「その点俺なら、それでもちゃんと御夕飯あっためた上で、オグマさんがお風呂に入っている間に着替えも出しておいてあげるんですけど。もちろん離婚届も出さないし」
「なんでお前が俺の妻ポジションになれるんだ」

あくまで例えですからね、気にしないで下さい、とサムトーはけらけらと笑いながら言った。
そして急に真面目な調子になって、でも頑張ってるのはほんとですよ、と言い訳がましく付け足す。

「あいつに追いついたとでも言う気か?」
「いいええ、それは、そんなことないですけど。でも少しは近づけてると思うんですよね」
「あんな刃物馬鹿に近づいたっていいことはないぞ」
「ないですかねえ」
「ないな」

第一あんなに愛想がなくなったらつまらん、とオグマは言った。

「じゃあ、今の俺はつまるってことですか?」
「つまるって何だ。訳がわからんな」
「とにかく、つまらなくないってことですよね」
「まあ…そうだな」
「つまらなくない。面白いですか?」
「つまらなくない、程度だな」

オグマの素っ気無い態度に対し、サムトーは心の底から嬉しそうな笑顔を浮かべた。

「オグマさんにとって、俺がつまらない人間じゃなきゃいいです」
「それなら誇っておけ。お前はつまらない人間じゃないぞ。奴と違ってな」
「わぁい?」
「何故そこで疑問符をつける」

だからつまり、とオグマは何かをサムトーの顔面に投げつけた。

「わっ」
「お前がこれからも俺の隣にいたいのなら、ちゃんとバンダナを巻いておけってことだ」

オグマが隣に座って、頭をわしわしと撫でてくる。
顔にぶつけられて膝の上に落ちたものを拾えば、それは新しいバンダナだった。
驚いて見上げる彼の顔越しに見える、その空の色によく似た。







―タイミングいいっすねー、オグマさん。
―最良のタイミングだったろう?
―買ってからずっと、くれるタイミング見計ってたんですか?
―・・・





バレンタインに向けて書いてたんだけど書きあがらなかったから今頃出す。

オグマさんとサムトー。
CPというよりコンビ的に。
オグサムは仲良し兄弟的な感じがいいなー。

ほんとはオグマさんの腕に巻いてあるあの謎の布投げつけようと思ったのですが、
あれの名称がわからなかったので仕方なく新しいバンダナ投げつけときました。
何でもいいからとりあえず「ナバールっぽい」から離れさせたいオグマさんにしたかったのに。
しかしあの布って何なんだろう…TOD2のロニとかも巻いてるよね…

個人的に、ナバさんサムちゃんは兄弟か双子レベルで顔立ちが似てるという設定です。
表情が違うから全く似てないように見えるけど、
サムちゃんが真面目な顔して殺気放つとナバさんに激似な感じで。
サムちゃんだって腐っても元剣奴、そこそこの気合は持ってると思うのよね。
ただし口を開くとがっかり剣士。
ナバさんが細マッチョなのに比べてサムちゃんは栄養不足っぽい感じだったり、
髪の毛もナバさんの方がさらさらだったり。

ナバさんによく似たサムちゃんがオグマさんと同じ剣技振り回すとか、
サムちゃんってオグナバの子供なんじゃないの?(何がしたい
とりあえずもうサムちゃん中心にして傭兵トリオに萌えるしかない。

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