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マイナー作品とかのションボリ二次創作を細々と。

【銀魂】一週間前

【銀魂】気分的にはひじやま

仕事中のアンタと俺。その距離感。

※監察方(密偵)に夢を抱いています
※山崎誕生日おめ!



『やはり黒ですね』
 その日の定時連絡は、山崎のそんな一言から始まった。
 電話機から聞こえる声。3週間も続いている隠密任務の最中ということもあり、流石に疲れた声をしている。
『例の武器商人、アイツとの接触を確認しました。一週間後に密会があるようです』
「場所は?」
 土方の問いかけに、山崎は町外れの寂れた料亭の名前を挙げた。
『俺もうちょっと潜伏して、会合の参加者のリスト作ってみますよ』
「ああ」
『一応、殺っていい奴と殺っちゃ駄目な奴で分けときますから。ちゃんと確認しといてくださいね』
 ちゃんと言っとかないと土方さん全部斬っちゃうから、と、電話機の向こう側から山崎の小さな笑い声が聞こえてきた。
「…努力はする」
『努力って副長。斬っちゃうのもいいけど、情報だって大事なんですよー?』
「言われなくても分かってるっての」
『本当ですかァ~?』
「……てめぇ、殴られない距離にいるからって言いたい放題じゃねェか。あァ?」
 帰ってきたら覚えてろよ、と言ってやれば、間髪入れずに、すいまっせェん!という言葉が返ってきた。電話機の向こうで土下座する姿さえ見えるような気がして、土方は喉の奥で笑った。


  一 週 間 前


「一週間後…てェと、……2月13日か。分かった、踏み込む準備しとく」
『よろしくお願いします』
(………ん?)
 スケジュールを確認するためにカレンダーを眺めていた土方の目が、ふととある所で止まった。
 それは、一週間後の一週間前。つまり、今日の日付だった。
「おい、ちょっと待て、山崎」
『はい?』
「今日、お前の誕生日じゃねェか」
『え?』
「2月6日。違ったか?」
『え、あ、いえ、違いません、けど』
 朧気すぎる記憶ではあるが、それが正しかったことを確認し、土方は満足して頷いた。
「違わないならいいんだ。何か欲しいもんあるか?」
『はァあ!?』
 電話機の向こうの声は1オクターブ跳ね上がった。思わず土方は電話機から耳を離す。きんきんした山崎の声は、うろたえたように土方に問いかけた。
『ちょ、ちょっと待ってくださいよ。そんな優しいなんて何かアンタらしくないですよ?』
「んだと?」
 しまった、と土方は思った。確かに、いつもならばこんなことを山崎なんかに言わない。
 それならばなんで言ってしまったのか、と考える。
 ――それは多分、目の前にいないからだ。
「…せっかく、たまには部下を労ってやろうと思ったらこれだ。俺は部下に恵まれねェなァ…」
『あ、ウソ、ウソですよう!凄く嬉しいです!!』
 顔が見えないというのは便利だ。多分山崎は、今土方が無表情でそんな言葉を言っているとは思っていないだろう。
『――すごく、嬉しいです』
 慌てた声の後で静かに、もう一度繰り返した。
『…じゃあ副長、俺、おねだりしてもいいですか』
「おう、言ってみろ」
『帰ったら、美味しいモン食わせて下さい』
 ろくなもん食っとらんのですよ、と山崎はわかりやすく悲しそうな声を出した。当たり前だろう、今山崎は隠密行動中で、持ち合わせの食料はソーセージくらいのものなのだろうから。土方は、闇のなかでわびしくソーセージを齧っている山崎を想像して少し吹き出した。
「ああ、たらふく食わせてやる。特別に瀧◯養鶏場の贅沢烏骨鶏マヨネーズもたっぷりぶっかけてやるぜ」
『なんですか瀧田養◯場って。要らんですよ。美味いもん食いたいんですってば』
「なんだとテメー、マヨが美味くねえとでも言うのか?」
『マヨは普通に好きですけど、アンタの食べ方は尋常じゃねーんだよ!多すぎるんだよ!元の味わかんねーよ!』
 ひとしきり突っ込んだ後、ふふ、と小さく山崎の笑い声が聞こえた。
 土方もなんともなしに楽しい気分になって、笑う。
 目の前にいれば意味もなく殴りたくなるのに、電話越しだとこんなにも楽しい。
『じゃあ――、一週間後に』
 しばらくして、山崎がそう言った。
「ああ」
『これからしばらく潜入しますから。定時連絡は難しくなると思います』
「わかった。くれぐれも――気を付けろよ」
『はいよ』
「じゃあな」
『あ』
 電話を切ろうとしたのを止めたのは、山崎のそんな一音。
『あの』
「なんだよ」
『……ありがとうございました』
 一瞬絶句した土方の口を再び開かせまいとするかごとくに、あの、と山崎が言葉を紡ぐ。
『お、俺!誕生日なんて祝ってもらったことなくって!その』
 すごく、いま、しあわせです、と。
 ――その言葉に。
「…へ!思いつきで口に出したことでそんなに有り難がるなよ。痒くなるぜ」
 何だか、酷く恥ずかしいことをしてしまったような気がして。
 それに対する返事も聞かずに土方は乱暴に電話を切った。

 何故だか赤い頬の熱さの意味を、できるだけ考えないようにしながら。
 意味もなく見上げた真っ黒の空には、細長い三日月が浮かんでいた。


 その三日月を、切れた電話機を握りしめたまま山崎も見上げていた。
「…うん、まずいや」
 常備している真選組ソーセージを一口かじって、そうひとりごちる。
 せめて、この味気ないソーセージにもう一つ、違う味を載せることが出来ればいいのに。それには、例えば卵と酢で作った少し酸っぱい調味料が一番望ましいのだけれど。
 任務が始まってから何本目かわからないソーセージを、あと二口で全て腹に収める。
(…あと一週間)
 先ほどの、上司との会話を思い出して少し笑った。あんなに優しいあの人の声を聞くのは初めてだった。多分、自分が目の前にいないからだろう。殴る蹴るといった愛情表現が、電話を通すとあんなにも優しくなるのだ。
 だけど、何だかあの人らしくなかったから。
 早く帰りたいな、と思った。
 彼は、自分の頬の赤さと熱さの意味を、よく知っていたので。
(………あと一週間で)
 あの人に会える。
 月が丁度真上に登っていた。もうすぐ、日付が変わる。




■■■■■

山崎って、隠密んときは真選組ソーセージで張り込み中はあんぱんで合ってたよね?
てか話し方とかわかんなすぎてふたりともエセすぎる。
もっとテンション高い話にすれば良かった。
そしたら某ちゃんに頂いた助言を有効活用できたのに。

最初に書いてたお話が
完全に土←山告白もしてないのに振られる失恋話にしかならなかったので、
そりゃ流石に山崎誕生日だってったって可哀想すぎると思ったので
書いた2話目がちょっとはれんちなドメスティックバイオレンスで
これまた山崎が可哀想すぎたので、
3話目にしてやっと、もうちょっと幸せな話にした。
でもネタが勿体無いのでその内どっかで出す。

しかしなんか「一週間前」ってタイトルにしてみたら
どう見てもこれ死亡フラグじゃね?
これ帰ってこれないパターンじゃね?
…違うよ!きっと帰ってくるよ!

とりあえず山崎誕生日おめ!!


文中で使おうと思って「高級マヨネーズ」でぐぐってみたら
烏骨鶏のマヨネーズとやらがマジで非常にうまそうな件。
しかし1本980円ってマジ高いな…
マヨいいよマヨ(;゚∀゚)=3ハァハァ!!


wikiとか漁ってたら真選組の身長にクソ萌えた。
近土沖山だと、山崎が一番ちっちゃいんだな…
沖田さんより小さいんだな…1cmだけど。
局長と比べると15cmも違うとかなにそれ萌える。
山崎かわいいよ山崎。

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