忍者ブログ
マイナー作品とかのションボリ二次創作を細々と。

【銀魂】狗の憂鬱[1]

【銀魂】山崎シリアス(土山)

S方さんとM崎さん。

※シリアス&ダウナー系ご注意。
※大半が密偵山崎に夢を抱いた話となっています。
※暗殺、軽い暴力、あんぱん、暴力と関係ない嘔吐、あんぱん、あんぱんなどを含みあんぱん。
※4分割中の1個目。土方さん登場は3話目以降。



 夢を見た。
 夢の中でも俺は仕事をしていた。
 どんな仕事をしていたかなんてそんなの夢の中だからよくわからない。
 でもなんか刀とか抜いていたし、きっと戦闘か暗殺任務だったんだろう。
 それで、どうやら俺は何かいい功績を残したらしい。
 俺はにこにこしながら屯所に戻って、その功績を俺の上司に報告をする。
 そうしたら俺の上司は、よくやったな、なんて笑って。
 褒めて、撫でてくれたのだ。

 ――――ああ、なんて気持ちの悪い夢。


 ■ 狗の憂鬱


 目が覚めた時ひどく胸がむかむかした。
 イースト菌と糖分が牛乳に溺れさせられて、胃袋どころか肺まで犯しに来たのかもしれない。
 今日も吐くかもしれないなあ、なんて周りに散らばったゴミたちを見渡す。
 ――真選組監察・山崎退、張り込み10日目。
 向かいの家に住むのは木彫り職人の親父だが、どうやら彼が攘夷浪士と繋がっているらしい、と。情報を掴んだのは他でもないこの俺で、それなら事情を知っているお前が張り込みするのが一番手間が省けるなと命じたのは鬼の副長で。
 俺にとって副長の命令ってものは絶対で、逆らえるはずがない。逆らう気もないし。
 のろのろ体を起こした。寝間着を脱ぎ捨てて、服を着替える。風呂も睡眠も身支度の時間もあんまり取れないけれど、服だけは毎日変える。変装の意味もあるけれど、せめて清潔なものを着たいって気持ちのほうが強いかもしれない。
 たった30分の睡眠でも、布団に横になるのとならないのでは違う。軽く屈伸して腕を回し、少しは体力が回復したことを確認する。
 もう慣れ親しんだ椅子に座り、買い込んだあんぱんをもさりと齧った。
 この近くにはコンビニがないから、張り込み用の食べ物や飲み物は初日に買い込んだ。既に消費期限が切れているから、ちょっと腹にも辛かったりする。ちなみに、賞味期限ではなく「消費期限」が切れた牛乳は流石に怖いから、開けないまま部屋の隅っこに放置しておいた。今ちょっと気になって見てみたらパックがぱんぱんに膨らんでいたから、見なかったことにした。
「………あー」
 かさついた声を、なんともなしに上げる。
 潰れた商店の倉庫の屋根裏、なんてステキな場所だから、多少騒いだ所でお隣さんに怒鳴られることもない。だって住居じゃないからお隣さんなんていないし。
 ただ、普段は無人で使われていない倉庫だから、あまり騒がしくしたら通行人だとかに怪しまれてしまうかもしれないけれど。
 しけったパン生地、甘ったるいあんこ。まずくて仕方ない。
 ただ食わねば体力も落ちるからと無理矢理口に押し込んだら、やっぱり吐いた。
 食べて吐くのと食べないのと、どっちが体に悪いんだろう。



--------------------------------------------------
監察山崎あんぱんをシリアス風味に仕立ててみた。

切りどころなくて短い。。
次話ももうちょっとこんな感じ。

拍手

PR