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マイナー作品とかのションボリ二次創作を細々と。

【Fate/Zero】遠坂さん周辺で聖剣伝説LOMパロ

【Fate/Zero】言時(マーボーワイン)

貴方を連れて逃げることができたなら


※聖剣伝説LOMの自己満パロ設定。
 綺礼、時臣と、出てこないけどバーサーカー陣営が珠魅。

※色々設定捏造注意。マボワに関しても元ネタに関しても。
※特に綺礼が時臣好きすぎて綺礼じゃない。キレイ綺礼。
※全体的に説明不足感が否めない






■珠魅臣さんと珠魅峰さん



 最後の一人が部屋から出てきたのを見て、綺礼はやっとその部屋に入ることができた。
 外側にしか鍵のない扉の、頑丈なノブを押し開ける。中に、ぼんやりと虚空を見上げている男の姿が見えた。
「時臣師」
「…ああ、綺礼」
 胸に燦然と輝く紅い石。ルビーの核を持つ彼は、綺礼のパートナーである時臣だった。
 ぼんやりとした瞳が綺礼を捉えて微笑む。その目尻を染める赤、それから頬に残る水の跡に、綺礼はこっそりと歯噛みした。
 彼は、また泣いたのだ。

 珠魅とは、心臓の代わりに『核』と呼ばれる石を持つ種族だ。心臓の代わりなので、当然その石が傷付けば死んでしまう。それを癒すことが出来るのが、唯一、同胞たちが流す涙から生成される『涙石』と呼ばれるものだった。
 ただし、彼ら――珠魅たちから、昨今涙は失われつつある。
 美しい核を持つばかりに他者から攻められ蹂躙されるばかりだった彼らが隠れ住み初めて百数年。平和な暮らしに慣れきった彼らは、いつしか戦いも、それを癒すすべも忘れてしまったのだ。
 いや、これは神からの鉄槌なのだと言うものもいる。腕が飛ぼうと胸を突かれようと、肉体すら失おうとも、核すら無事ならば不死であるが故に、無謀こそを栄誉と捉える好戦的な種族への。
 何にせよ、だがまだ、完全に失われたわけではない。蛍姫という珠魅を中心に、涙の枯れていない者たちは煌めきの都市深部に、ひっそりと幽閉されていたのだった。
 このまま運命に従って静かに滅びを待つのか、それとも、打開策があるのか。同族だというのに争い合う珠魅たちのために、泣くために。
 だが、涙石は単なる涙ではない。流す者の生命力を分け与える行為なのだ。
 涙を流せば流すだけ涙石は生成され、誰かの核が癒える。だが、涙を流せば流すだけ彼らの命は流れだし、彼らの核は傷つく。
 涙を流し人を癒す『姫』、それを守り戦う『騎士』。その役割分担ができている時代ならばよかった。だが、涙の失われつつある今では。涙を失っていない数少ない姫にばかり負担がかかり、既に幾人かは、涙を流しすぎて壊れてしまったという噂も聞く。
 綺礼は、この制度を厭う一人だった。

 未だ涙を流すことができ、幽閉されている姫の中に、綺礼のパートナーである時臣もいた。
 綺礼は時臣を愛していた。美しい核の紅い色も、それと正反対の青い瞳も。落ち着いた声も、深い知識も、穏やかな人柄も、柔らかい髪も、暖かい体も、全て愛していた。
 彼の隣に立ちたいという思いが、単なる薄汚れた黒曜石であった綺礼を珠魅にしたのだと思う。
 時臣と、騎士と姫の関係であることは、とても幸福だった。
 彼のために振るう拳や刃の一振り一振りが誇りだったし、その背に時臣をかばって負った傷を癒される時の喜びは尋常なものではない。
 この生命のすべてを彼のために使いたいと思ったし、彼の命の全てを自分に与えて欲しいと思っていた。出来る限り長く。出来るならば永遠に。
 だからこそ、この現状は。
 誰のためともわからぬままに、都市の奥底に押し込められ、日がな涙を流し命を削り続けることを強要される姫たちの姿に。それを、種族のためだと諦めている時臣に。
 綺礼は、憤っていた。


「―――ああ綺礼。怖い顔はいけないよ」
 物思いに沈んでいた綺礼の頬に、そっと指先が伸ばされる。
 日に当たらぬゆえに白く細い指先。時臣の指だ。それは綺礼の輪郭をそっと撫でて、離れていった。
 綺礼に触れるために乗り出した身を戻し、元の通り、床に敷かれた柔らかそうなクッションの中に、彼は埋もれるようにして座リ直した。
 暗めの照明の中でも、彼の紅い核は存在を主張するように輝く。
 その核には、細かなヒビが縦横無尽に走っているのだ。
 綺礼のためではなく。時臣自身のためでもなく。争い続ける、どこかの屑石のために。
「隣においで」
 自分の隣を指先で指し示し、時臣は穏やかな声で言う。綺礼は素直に従って、柔らかいクッションを踏み越えて彼の隣に腰掛けた。その肩に、時臣がもたれて来る。
 無理をしていたのかもしれないし、単純に甘えたがっているだけかもしれない。綺礼の視界からでは時臣の旋毛くらいしか見えず、彼がどんな顔をしているのか伺うことはできなかった。
 肩に柔らかい髪が擦り付けられる。その頭を抱き寄せると、くすりと笑う気配があった。目元に指を伸ばし、しずくを拭う。目を閉じた気配があった。
 そのまま、二人の間には静寂が満ちた。だがそれは決して居心地の悪いものではない。肩にかかる重さと暖かさを噛み締めながら、綺礼は時臣の髪を撫で続ける。時臣はそうされながら、微笑んでじっとしていた。
 どれくらい経っただろうか。ふいにぽつりと時臣が口を開いた。
「そうだ、綺礼。雁夜のことは話したかな」
「雁夜……ですか」
「うん」
 それは時臣の友人の一人であり、彼と同じ幽閉されていた姫の一人でもあった。『あった』というのは、過去形の言葉である。
「核を抜き取られたと聞きましたが」
 煌めきの都市から気晴らしにと外に出た時、珠魅専門の盗賊に襲われたのだという。丁度別件で出ており彼を護ることのできなかった彼の騎士が、酷く怒り狂っていたのを覚えている。
「彼の騎士が彼の核を取り戻してきたんだ。傷だらけになって、一人で」
「それは……」
「彼のオパールはね、壊されてはいなかったよ。涙石さえあれば、回復することが出来るだろう」
 本当に良かった。そう、時臣は心の底から安堵したような声を出した。
 ―――涙石さえあれば。
 核だけとなったその珠魅も、まだ生きているのだ。肉体を取り戻し、再び人のように振る舞うことができるのだ。涙石さえあれば。誰かのいのちのかけらを、与えられれば。
 単純な怪我とは違い、肉体を失った珠魅を回復させるためには相当な涙石が必要なはずだ。涙を流すものたちの命も大きく削られる。
 それを与えるのは姫たちであり、その中には時臣も含まれる。
 雁夜は回復するよ、良かったね、と。なのに彼は微笑むのだ。
 綺礼は、時臣をきつく抱きしめた。かつん、とぶつかり合う核の音。
「ッ、苦しいよ、綺礼」
「―――もしも」
 喉の奥から絞り出す声は、掠れている。だがその小さな声に、時臣が耳を傾けてくれているのを感じた。
「もしも私が、貴方を攫って逃げたいと言ったら」
「駄目だ」
 綺礼の言葉は遮られる。
 唇に触れる、冷たいゆびさき。
 そっと、体が離される。体と体の間に、冷たい空気が流れ込んだ。
 薄暗い照明に浮かぶ、彼の紅い石。暗い色の青い瞳。真っ直ぐにそれは、綺礼の漆黒の石と漆黒の瞳を映した。
「私は、まだここに必要とされているから」
 傷を負った珠魅たちに。核だけとなった雁夜や彼の騎士に。
 彼らを癒すだけの存在として。涙をながすだけの存在として。ただの、道具として。
「…口に出してはいけないんだよ、その、望みは」
 そんな存在として必要だというのなら、私のほうがどれだけ貴方を必要としているか!綺礼は心の中で叫ぶ。
 あなたのいない世界など考えられない。あなたと共に歩めない世界ならば滅びてしまえばいい。そんな世界から、あなたを連れ出したい。あなたをあなたとあなたを愛する私だけのために生きて行ける世界に連れ去ってしまいたい。―――だが、そんな望みすら、彼は聞き届けてくれないのだ。
「さあ、綺礼」
 時臣の手が、未だ自分を抱きしめていた綺礼の腕をそっと外す。外された綺礼の手を、だが包んだまま時臣は微かに微笑んだ。
「もう遅いから、そろそろ帰りなさい」
「ですが」
「私も、今日は少し疲れてしまったから。休まないと」
 ね、と言われてしまえば、首をふることはできなくなる。何よりも大事なのは時臣の体だ。
「…時臣師」
 せめて最後に、と顔を近づければ、合点がいったのか時臣は困ったように微笑み、自身からも顔を近づけて目を閉じる。
 触れ合う唇。
 そっと触れ合うだけで、貪るような激しさはない。そのまま数秒の、啄むような接触。
「………明日も、また来ます」
「ああ、待っているよ」
 柔らかそうなクッションの中にぽつりと座ったまま、時臣が小さく手を降った。
 おやすみ、とその唇が動き、綺礼は礼をして部屋から辞去した。
 重々しい音を立てて閉じたその扉は、外側からしか鍵のかからない構造になっている。



 ――駄目だ、と。
 触れられた指先の冷たさが未だ唇に残っている。口づけですら消してはくれなかった、その冷たさ。
 時臣がいくらその言葉を聞き届けなかろうと、近いうちに自分が辛抱できなくなるだろうことを、綺礼は感じていた。
 いつか、いつの日にか。
 滅び行く都市に背を向けて、彼を抱き上げどこまでも走る、妄想を。
 綺礼は、抱いていた。








続かない


パラレル世界なんだかららぶいちゃしたって性格捏造だって関係ないよねっ!

ああああーもうずっと珠魅臣さん見たくてしかたない
ので事故供給。誤字だけど誤字じゃない。
胸にでっかいルビーついてる時臣師って
ほんと綺礼間違った、綺麗だと思うんだ。

あと珠魅峰ちゃんは黒曜石がいい。
上半身8割裸で堂々と核露出してればいい
あーこの妄想が形に出来ればいいのに。
脳内珠魅峰ちゃんの格好良さが異常すぎる

珠魅臣さんが傷つけられて激昂して盗賊とかぶっこしちゃう珠魅峰さんください
でその戦闘で傷ついた珠魅峰さんを、自分も怪我してるのに
癒してあげる珠魅臣師ください
泣きたいのに泣けなくてがくがくする珠魅峰さんください
あと真珠姫みたいにしゃがんでぷるぷるしてる珠魅臣さんください
嘘です。自己供給します。



以下妄想設定。
CPは綺時(マーボーワイン)、バサ雁、と ギル→時、雁→←時(?)

■時臣
 沈没した客船からサルベージされた宝石箱の中にあったルビーだったが、
 初めて見る広い世界をもっと見たいという自我を持ち、時を経て珠魅となった。
 同じ宝石箱の中にあった他の宝石も珠魅になって持ち主たちの思い出を語りたいと思うが、
 結局珠魅にまでなれたのは時臣と綺礼だけだった。
 真珠よりは戦えるが、真珠くらいにはよく転ぶ。
 煌めきの都市においての自分の存在価値を理解してはいるが、
 実はそれ以上に綺礼を愛しているので、攫われたとしても抵抗はしないつもり。
 ジオとかガトに行ってみたい。

■綺礼
 時臣と同じ宝石箱の中にあった黒曜石。
 時臣が、仲間を増やしたいと毎日宝石箱を覗くので、その胸の赤と瞳の青のコントラストに惹かれ
 いつしか彼のために戦いたいという自我が芽生え、珠魅になった。
 拳闘と黒鍵を使った戦闘が得意。
 時臣を護りたいだけなので自分が傷つくことには無関心。
 むしろ時臣の命を削って自分が癒されているという事実に倒錯的な興奮を覚えている。
 だけど基本的には時臣至上主義者。

■雁夜
 オパールの珠魅。
 時臣と同じくらいに珠魅になったが、元々加工され脆くなっていた宝石だったため、体が弱い。
 涙をながす時に思わず吐血しちゃうことがあるレベル。
 同じくらいに珠魅になったのに健康(に見える)だったり美しかったりする時臣が憎い。
 でもその分涙量も時臣のほうが多く獲られているので、ちょっと同情したりしている。
 気晴らしにと頼み込んでほんの少しだけ外に出してもらえたその隙に、
 盗賊に襲われ、核を奪われて死亡した。
 ※その後時臣が頑張って生き返らせる予定。

■ランスロット
 アメジスト(?)の珠魅。
 体の弱い雁夜を盲愛する彼の騎士。剣術を使う。
 雁夜が敵視しているので時臣が嫌い。また時々雁夜が時臣を心配するので時臣が嫌い。
 綺礼と同様に、現在の煌めきの都市のあり方に疑問を感じてはいるが、
 雁夜の体が弱く、逃げ切るのは難しいと考えているため、
 雁夜を逃したいというよりは、この都市を滅ぼしたいという思考。

■ギルガメッシュ
 人間。大手宝石商。
 珠魅に尊厳など無く愛でられる為の愛玩動物だろう、という考えのもと、
 単なる宝石だけでなく、屑石の珠魅なども商品として取り扱うことがある外道。
 キラキラしたもの大好き、宝石大好き。
 特にルビーが好きなため、時臣に興味を持ち、側においておきたいと感じる。
 ちなみに、珠魅のままでもいいけど、側に置いておいてもなんかつまんなそうだから、
 核だけ抜き取ってもいいと思っている。

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