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マイナー作品とかのションボリ二次創作を細々と。

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五人旅

僕は今日から旅に出るよ。
幻水1 坊ちゃんとその他


x x x

風が吹く。風が吹く。
さらさらと音を立てて古い時代を吹き飛ばしていく。
「終わったんだね」
(そうね)
(そうだな)
(ああ)
「もう、平和なんだ」
(そうね)
(そうだな)
(ああ)
「もう、僕はここにはいらないんだね」
(…)
(…)
(…)
「もう、僕はここにはいられないんだね」
(…)
(…)
(…)

汚れた袋におくすりをいっぱいつめていこう。
もうまたたきの手鏡もいらないな、ここへ帰ることはないから。
紋章の類も要らないね。棍さえあれば十分だ。
要らないものは全て置いていこう。大事な思い出と仲間たちと共に。
この右手で、彼女と親友と父だけを連れて行こう。

「坊ちゃん、用意は出来ましたか?」
「うん」
後ろからかけられた声。振り向かず答える。
誰かが僕の隣に立って、同じように帝都を見下ろす。
「もう帰ってこられないんですね」
「お前は残ったっていいんだぞ?」
「何を言いますか。駄目と言われてもこのグレミオ、地獄の果てまでご一緒させて頂きますよ」
お堅い彼の口からそんな冗談が出たので、僕は笑った。彼も笑った。
笑いすぎて涙が出た。

「さ、行こうか」
(もういいの?)
(もういいのかい?)
(もういいのか?)
「僕の右手を見てみなよ、ここに何がある?」
(あなたを護る力であり、あなたを苦しめる力)
(俺と俺の親友とその周りの命を食らう悲しみ)
(俺の息子を苦しめる悪意)
「さあ、これでも僕がここにいられるとでも?」
(私を連れて行きなさい)
(俺を連れて行けよ)
(俺を連れて行くといい)
「ありがとう、僕はもう寂しくないよ」

右手に彼女と親友と父を連れて行こう。
左手で汚れた荷物を持とう。
棍は腰に差しておこう。
もう誰も喰らわぬよう、大事な人たちを置いていこう。
「ただ一人、お前だけを連れて行くよ」
「ありがとうございます。
 この命、何度喰らわれようともあなたに捧げます」

風が吹く。風が吹く。
最後にもう一度だけ、今日限り帝都でなくなったそれを見下ろし、
僕と彼らは旅立った。


x x x

書きたいことが書けなかったけれども、試験的にオデッサも混ぜてみました。
やっぱり、オデッサはオデッサで、別に扱った方がいいとわかりました。
坊ちゃんはいつも皆と、グレミオと一緒だよ。
ということで、終わりのない旅に出るわけです、彼らは。

…でも、2でおうち戻ってるよね坊ちゃん!!


全然関係ないけど、坊ちゃんは、一瞬だけオデッサに恋していればいいと思う。
だけどすぐに失ってしまって、
少し経ってからこの紋章のせいだと気づいて、
そしてもう恋など出来なくなってしまったならいいと思う。
…そんなブラック坊ちゃんも素敵だとふと思った。

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