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マイナー作品とかのションボリ二次創作を細々と。

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片翼の天使

旅立つ俺と、見送るあなたと。マエド。


x x x

元々は一つであるはずの魂が、どういうわけか二つの体を持って生まれた。
それが自分たちだと、マッシュは思っている。
同じ顔、同じ声、同じ体を持って生まれた二つの体は、最初のうちこそ同じ成長を遂げていたが、いつからか、段々と別のものになっていった。
片方はより活発に、片方はより真面目に。
互いの足りない所を補うようにして、二つは、寄り添うように生きてきた。
それはまるで、片方ずつの翼を持った天使が、互いを庇いながら空を飛ぶように。
その日までは。


高く高く投げられたコインは、月光を撥ね返して石造りの床に落ちる。
澄んだ音を立てて向けられた面は、表だったから。
「・・・お前の、勝ちだな」
背に生えていた片翼をもぎ取り、彼はマッシュに差し出したのだ。
自分の代わりに世界を飛び回ってくれと。
鮮血滴る背など痛くはないからと、微笑んで見せたのだ。
そしてマッシュはそれを受け取ってしまった。
彼が笑顔を見せてくれたから、その笑顔に答えなければいけないと悟った。
何をどう答えればいいのかなんて分からない。
だがしかし、そう、悟ってしまったのだ。
その翼を、自由を、外に出る権利を、彼は無償で自分に譲ってくれてしまったのだから。



「・・・俺が」
「ん?」
「俺が、兄貴の代わりに世界中を見てくる」
「・・・」
「兄貴の翼になるんだ、俺が」
「・・・ああ」
少し唐突過ぎたその台詞に、兄は、また笑顔を浮かべてくれた。
今度は、痛さとか辛さとか関係ない、心からの笑顔だった。



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片翼の天使=ゼノギアスネタ。
ファティマ兄弟もいいよね。

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