セカンド・ファミリー FF6 2009年03月03日 え、その二人なの!?>ティアクラ/私信DS行方不明中につき、FF6に逃走。私が、貴方にできなかったことを。擬似家族+兄貴。 x x x本日の買出し当番はティナ、セリスにロックだった。他のメンバーは飛空挺にて待機、各々好きなことをして時間を潰していた。エドガーはエンジン整備の手伝いを申し出たが、セッツァーに素気無く断られ、ふと気づけば、いつも隣にいるはずの姿がなく。何気なく窓から外を覗けば、そこに見慣れた金色の頭。ほっとして、彼の傍へ行くべく、エドガーは飛空挺のタラップへ向かった。セカンド・ファミリー「そらっ、こっちだこっち!」「がうっ!!」方や筋骨隆々の大男、方や細っこくしなやかな少年。マッシュとガウである。ガウの放った鋭い蹴りが、マッシュの腰布を掠った。「うおっと!?危ねー…!」「ガウのキックあたった!?ガウのかち!?」「避けたっつーの!まだまだ終わらねーぞ…っと!」マッシュが軽く放った拳は予想通り避けられ、ガウがまた反撃に出る。彼らがまるで同等のようにじゃれ合うのを、カイエンは楽しそうに見ていた。「どうだい、状況は?」突如の背後からの声。しかしかなり前からカイエンはその気配を読んでいたので、驚くことはなかった。「いやあ、マッシュ殿はもちろん、ガウ殿も大分強くなったでござるな」「あれは稽古なのかい?」「さぁ…マッシュ殿はそう言っていたでござるが…」「まあ、楽しそうだからいいのかな」現れた男…エドガーはは小首をかしげ、楽しそうにじゃれあう二人を見つめる。ガウの放った頭への一撃を、体勢を低くしてマッシュが避ける。そのまま流れるように、拳の一撃。「うりゃあッ」小さな体が、その強大な一撃を受けて飛ぶ。しかし、当事者の二人はもちろん、傍観者の二人も、それが、ガウが自分から飛んだのだということが分かった。一撃を受ける寸前に自分から飛び、衝撃を殺す。実際、胸の辺りに一撃を食らったというのに、ガウは綺麗に着地し、またマッシュに向かってくる。「がううーっ!」「おっ?やるなあ!」楽しそうにそれを迎え撃つマッシュ。「…エドガー殿、座ったらどうでござるか?」「ああ、すまない、ありがとう」カイエンが座る場所を少しずらし、エドガーのために場所を空ける。その隣に並んで座って、ふと思い出したようにエドガーが懐から袋を取り出した。「それは?」「テーブルの上にあったから、勝手に貰ってきてしまった」いたずらっ子のような顔で微笑んで、その袋を開けてみせる。立ち上るいい香り、中には、小さなクッキーがたくさん入っていた。「勝手にあけても大丈夫でござろうか」「多分ロックのだからね、大丈夫だと思うよ」何が大丈夫なのかいまいち分からないが、エドガーが先にそれをつまんだので、カイエンも続いた。「おいしいでござるな」「だね」目の前の攻防は、まだまだ終わらない。「…拙者、息子がいたでござるよ」唐突なカイエンの言葉に、エドガーが視線を向ける。カイエンは視線を暴れまわる二人に向けたまま続けた。「名前はシュン。年は…今年で10になるはずでござった」「はずだった?」「…もう、いないでござる。帝国の、ドマへの攻撃で…妻も…」「帝国…。そうか、奴らは水に毒を…」その話は、エドガーも聞いていた。ケフカが用水路に毒を流し、その水に触れたドマ城内の人々は、ほとんどが死に絶えたのだという。マッシュがその場に居合わせたというので、事実としては知っていたが、カイエンの家族がそこにいたと言うのは初めて聞いた話だった。「拙者は戦のことばかりを考えて…息子と、余り接することが出来なかったでござるよ」シュンはいつでも自分を慕ってくれていたのに、自分はそれに何を返せただろう。剣の稽古をつけたのだって、半分は、いつか国のために戦って欲しいと願ったからだ。黙ってしまったカイエンに対し、どう話を続けていいかとエドガーは迷い、迷ったまま言葉を紡いだ。「…私たちの父親も、そうだった」「…そう、とは?」こちらも唐突な話の切り出し方に、カイエンが訝しげに問い返す。「毒殺。…まあ、当時は噂でしかなかったけどね」「…」続きを待つが、もうその続きはないようだった。…あの時、自分の決死の特攻に、他人であったはずなのに助太刀してくれた青年。その裏には、その過去が関係していたのだろうか。息子を失った父。父を失った息子。しばらくの沈黙。しかし目の前では雄叫びを、歓声を上げながらじゃれあう二人。「うーっ!よけるとあたらない!」「当たったら痛えじゃねーか!そりゃあ避けるぜ!」「がうー!ぜったいあてるー!!」「本当かぁ?よーっし、じゃ、お前が俺に一撃当てたら、後でお菓子買ってやるよ」「おかし!?くれるのか!?ガウ、ぜったいいちげきあてる!!」カイエンは、その二人を目で追う。楽しそうな笑顔。声、姿。生き生きとした表情と動き。他人のはずだけれども、それはとても微笑ましくて、こちらまで幸せになれるような。「…家族とは、こういうものでござろうか」ふと呟いた言葉に、エドガーが驚いたようにカイエンを見る。そして、暴れまわる二人のように視線を向け、微笑んだ。「はは、確かに。息子さんは10歳だっけ?確かに、ガウはそれくらいかな」「シュンよりは、少し年上っぽいでござるな」「マッシュも、精神年齢はそれくらいかもしれないね」「がうー!」「うがー!」その瞬間、ガウに釣られたのか、マッシュの叫び声。その姿を見て、二人は顔を見合わせ、吹き出した。「がうーっ!」ガウが高く跳躍し、上から飛び掛る。マッシュは迎撃しようと拳を突き上げるが、ガウはその腕にしがみ付くようにして一撃を防いだ。「うおっ!?なんだそりゃ、そんなのありかー!?」「ござる、これでうで、つかえない!」「だから俺はござるじゃねーつーの!ござるはあっち…と?」傍観者の方を指差せば、いつの間にかもう一人観客が増えている。「兄貴っ!」「負けるなよー、マッシュー」そう言ってエドガーがひらひらと手を振って見せる間に、ガウの頭突きがマッシュの頭へと綺麗に決まった。「ござる!ガウ、おかしかってもらえる!」「よかったでござるなあ」おかし、おかし、とガウはくるくる回りながら、喜びを全身で表す。カイエンはそれをにこにこしながら眺めていた。「ガウ、ござるにもおかしわける!」「拙者にも分けてくれるでござるか?それは嬉しいでござるなあ」喜びの余り体当たりしてきた小さな体を受け止め、カイエンは微笑んだ。「ほら、マッシュ。起き上がれるかい?」「んー…ありがと、兄貴」その向こうでは、未だ倒れたままだったマッシュに、エドガーが手を差し伸べている。その手に掴まって、マッシュが体を起こした。「あいてて…絶対コブになるって、これ」「どれどれ?ああ、確かに真っ赤になっているね」「あーあ、負けちまった」「俺のせい?」「んーん、戦いの最中に気を散らした俺のせい」「ま、お前は良くがんばったさ、お疲れ様」微笑んで、マッシュの肩をぽんと叩いた。「そうだ、クッキーがあるよ。ロックのだけど」「お、サンキュ!うまそー」と、マッシュが手を伸ばす横から、ひょっこりと飛び出す枯れ草色の小さい頭。「クッキー!?ガウもたべる!」「がー!これは俺が兄貴に貰ったの!お前には後で買ってやるから!」「こらこらガウ殿」カイエンが止めようとするが、段々とテンションが上がるように、言葉の投げあいは止まらない。困ってエドガーの方を見ると、彼は一つ頷いた。「よし、二人とも聞け!」「あ、兄貴?」「ガウ?」「私と勝負だ!私に勝ったら、このクッキーをやるぞ!」「がうー!ガウがクッキー貰う!」「え?え?ずりーぞ兄貴!俺、兄貴には本気出せねえ…」「お前が本気を出さなくても俺は出すぞー!…食らえ、低威力オートボウガン!」「うわわわっ」「がうーっ!?」足元に飛んできた一本を良く見れば、それはいつものボウガンの矢の先に粘土玉をつけたもので。「…エドガー殿も、マッシュ殿のことを言えないでござるなあ」カイエンの苦笑する向こうで、エドガーは格闘家二人に苦戦している。「うわっと、ふ、二人がかりはキツいよ!」「オートボウガンは反則だって!」「クッキー!」「危な…!…おーい、カイエン!加勢してくれ!」「了解したでござる!」「えー!?カイエンもそっちかよー!?」「ござるもたおしてクッキーたべるー!」鞘に入れたままの刀を手にして、カイエンは走り出した。血こそつながっていなくとも、家族ほど強い絆を手にするために。蛇足では有るが、その後買出しから帰ってきたロックが俺のお菓子がないと騒いでいたが、誰も、ぷいとそっぽを向いてその行方を語らなかったという。xxx擬似家族。カイエンガウマッシュが擬似家族なら兄貴もいれてやらな!ということで笑。双子がばらばらなんて認めないから!!!!!!!!!!(何カイエンが父ちゃんで弟とガウが兄弟、だったら兄貴は何だろう…お兄ちゃんか、Wおとん制度か、はたまたおかんか…あーもー本当いいチームだなぁ彼ら!!この4人でどこまでも行きたい。 PR